あるアメリカ留学生の徒然なる日々

アメリカ・カリフォルニア在住の日本人大学生が色々さらけ出すブログ

私が大学正規留学を決めた理由(3)

両親への依存

私は両親から、それはそれは大切に育てられてきたような気がします。それはずっと続くと思っていました。しかし中学生のあたりから、母は私たち姉妹にこのようなことを口にするようになりました。

「私たちがあなたたちに何かしてあげられるのは、あと数年しかないわよ。私たちもいつ死んでもおかしくない歳になって来ましたからね。父なんて肥満体だから尚更よ。だから親は頼れるうちに頼っておきなさい。私たちはあなた方に遺産は残しませんからね。姉妹間で争いの元になるようなものを遺して逝くのは後ろ髪を引かれる思いでしょうから。」

その数年前には、父方の伯父が急逝していました。父は地方の出身者なので、私たちはその伯父とはそれほど関わりはありませんでしたが、まだ50ほどだった伯父の急な訃報は当時の私には衝撃以外の何物でもありませんでした。

その伯父と体型も全く同じであった父をみて背筋が震えたのを覚えています。友人の中にもすでにご両親のどちらかがなくなっている子もいました。いくら医療が発達しても、人は死ぬ時は一瞬で死ぬ。いや、もしかしたら死ぬことはなくても入院、介護が必要となれば医療費がかさむ。たとえ今すぐにはそうならなくても、人はいずれ死ぬ。その時は今度は子供である私たちが彼らをあらゆる方面で支えなければならない。そう思いました。

前回とも似たような考えですが、とにかくしっかりと、安定した職を得るには技術や知識はあるに越したことはないと思い、当時から他の科目よりは若干得意であった英語に強みをもたせるのが一番早いと思い至りました。

 

これはある意味賭けです。留学なんて、一般的な国内大学進学よりも莫大な費用のかかる留学中にも、父母が休止する可能性は十分あるのですから。留学生活が後半に差し掛かった今でもわたしには恐怖が付き纏います。今この瞬間にも、父か母が死ぬかもしれない。費用などの問題は抜きにしても親の死に目に会えないかもしれない。家族が一度に事故にあって、わたしを置いてみんな死んでしまうかもしれない。その時私は、留学したことを後悔するのでしょうか?

 

過ぎたこと、選ばんかった道みな醒めて終わった夢と変わりゃせん

私が大好きな漫画/映画『この世界の片隅に』からの引用です。私が一番気に入っているセリフです。

 

今でも留学すると言う決断が正しかったのか、わからなくなる時が多々あります。しかし、どの道を行っても、迷いや後悔が付き纏わないことなんてないのかな。苦しみや悲しみの数は、人生でどの道を選ぼうと一人ひとり数が決まっていて、いつか経験しなくてはならないことならとりあえず生きていかなくてはならない気がします。あれ?結局話があらぬ方向に脱線してしまいましたね(笑)申し訳ありません。これ以上脱線しないうちにも今回はこの辺りで失礼します。